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日本にSOAP形式が取り入れられた歴史

看護記録は、看護を要する患者の看護計画をはじめとする情報や、実際に行った看護と患者の反応などを記録したものだ。

看護記録によって看護師や医師の間で情報共有が可能となり、かる看護内容の評価や管理、実際に看護を行ったことも証明できる。

そのため、万が一医療事故が発生した際の重要な参考資料としても用いられるのだ。

必然的に看護記録に記すべき内容が多岐にわたるため、記録に多大な時間を要してしまう。

記録する時間が不足した場合には、詳細な内容を記すことができないリスクが生じる。

そこで効率的な記録方法として、主観情報のS、客観情報のO、アセスメントのA、計画のPからなるSOAP形式がアメリカで開発された。

次第に日本国内でも広く用いられ始めたが、SOAP形式は医療制度や文化的背景の異なる国から取り入れた方法だ。

その結果、日本の看護現場にそのまま用いてしまうことにより、さまざまな混乱を招く結果となってしまった。

例えばSOAP形式の参考モデル不足のため、どのように書いたら良いのかわからない、初期計画と患者の症状が合わないなどの問題が起きている。

ある総合病院の病棟では、現場に合わせたSOAP形式の看護記録の実践のため、アクションリサーチのプロセスを用いて改善を図った。

まずSOAP形式の問題を明確化し、次に問題に対するアクションの計画と実施を行うのだ。

そうすることにより、SOAP形式を用いた看護記録の量および質の向上が認められることとなった。